下請けも抜け出せるし…。
引き抜きやヘッドハンティングって実際に有りえるの?
ありえるとしたらどうすればいいんだろう?
こんな疑問にお答えします。
先に説明しますが、引き抜きとヘッドハンティングには違いがあります。ヘッドハンティングは役員・幹部・役職者を引き抜くことをさします。
引き抜きは単純に優秀な人材を引き抜くことですのでヘッドハンティングより広い意味になります。僕の場合はヘッドハンティングにあたりますが、この記事では「引き抜き」で統一します。
ということで、実際に常駐先から引き抜かれた経験をもとに、以下の内容をお届けします。
- 常駐先からの引き抜きは十分ありえる
- 常駐先から引き抜きをされるコツ
- 実際に引き抜きされる際に注意すること
常駐先からの引き抜きは十分ありえる
結論として、常駐先からエンジニアの引き抜きは十分ありえます。僕を含め、周りのエンジニアも引き抜きで転職した例がいくつもあります。
理由は以下です。
- IT業界の人材不足
- 採用費・教育費の削減
- エンジニアの能力評価が容易
一つずつみていきましょう。
IT業界の人材不足
転職市場は2019年現在、空前の売り手市場と言われています。業界全体でみても求人倍率は2倍です。転職者1人につき2つの求人があることになります。
IT業界を見てみると求人倍率はなんと約6倍。転職者1人につき6つもの求人がある計算です。業界全体を見てもIT業界がダントツの求人倍率になっています。
理由としては、「少子化による人口減少」と「産業拡大によるエンジニアの需要増加」が考えられます。
よって、人手に困っている企業は非常に多いということが言えます。
採用費・教育費の削減
教育費について
引き抜きを含む中途採用のメリットとして、教育をしなくていいことが挙げられます。
新入社員1人当たりの教育費用は入社前の教育で40,527円、導入教育で185,722円とい調査結果が出ています。合計で226,249円となり約23万円もの教育費が必要になります。会社によってはそれにプラスして、教材費や講師の人件費も必要になります。
参考:産労総合研究所「2014年度 大卒・大学院卒新入社員教育の実態調査」
採用費について
中途採用に関わる採用費用もバカになりません。以下の図をご覧ください。
出展元:マイナビ転職中途採用状況調査(2015年1月~2015年12月)
IT関連技術職者を中途採用するのに関わる広告費用は、一人あたり49万円です。転職サイトや転職エージェントを利用する側はタダですので気付きませんが、人材の採用には莫大な費用が掛かっているのです。
上記のように、教育と採用には多額のコストがかかります。
引き抜きはこのコストを削減できますので引抜きする会社側にも大きなメリットとなる訳です。
エンジニアの能力評価が容易
中途採用の場合、基本的には面接を中心に履歴書と職務経歴書から、スキルや能力を判断するのが一般的です。会社によっては筆記試験や性格診断などのテストを行うところもあります。
スキルや能力の判断は、平準化しづらい側面がありますので非常に難しいものとなります。面接やテストを実施したところで、予想した基準より下回る場合が多いです。
なぜなら面接やテストは、対策をたてることができるからです。特に面接は万全の対策を立てて挑む人が多いでしょう。
一方で引き抜きの場合、同じ職場で働いているため、能力の評価は明確になります。人物像などもわかっていますので、一般的な中途採用のような採用リスクがなくなります。
常駐先から引き抜きをされるコツ
常駐先から引抜をされる人には、必ずある共通点があります。それは、その職場に必要な人です。当たり前の話かもしれませんが事実です。
ただ、これだけでは寂しいので、職場に必要とされる人はどういった特徴がある人が多いのか。大きく分けて以下の2つが挙げられます。
- 主体的に仕事をこなせる
- 技術力が非常にたかい
主体的に仕事をこなせる
主体的に仕事をこなせる人はコミュニケーション能力が高い場合が多いです。チームメンバーとコミュニケーションをとることにより、様々なメリットが生まれます。
- プロジェクトの課題や問題の発見がはやい
- 作業や資料などのミスを減らせる
- 仕事を巻き取り自分のものにしていく
人からの知識の伝達により「プロジェクトの課題や問題の発見がはやい」「作業や資料などのミスを減らせる」ということは想像がつきますよね。
実は一番重要なのは「仕事を巻き取り自分のものにしていく」です。
仕事を積極的に巻き取り消化していくことで、プロジェクトの一部、または全部を任せられるようになります。それをこなしていくとやがて属人化します。
「このプロジェクトはこの人に聞かないとわからない」までいければ自分の居場所ができます。そうなれば勝ちです。その職場にとって必要な人材になります。
逆に仕事を待っている人が引き抜きをされることはほぼないでしょう。
ワーカーは出来る人が多く替えが効きます。
自身の価値をアピールする意味でも積極的な姿勢が必要になるでしょう。
技術力が非常にたかい
技術力に特化した人も引き抜きの対象になります。これも前項の自分の居場所の作り方です。
専門化になることで、職場での必要性を誇示できます。「この技術はこの人に聞けば解決する」っていう認識が広まれば、その職場で必要な人材になりますよね。
実際に引き抜きされる際に注意すること
今まで引き抜きのいい部分だけお伝えしてきましたが、リスクによるデメリットもあります。
IT業界において引き抜きはタブー
IT業界において、基本的に引き抜きはタブーです。
企業側におけるリスク
IT業界は複数の仲介業者を介して常駐先に就業するパターンが往々にしてあります。
その仕組み上、仲介会社と常駐先で優秀な人材だけ引き抜きされると、下請けの会社は生き残っていけなくなります。
よって、IT業界では引く抜きをしないというのが暗黙の了解になっています。
もし企業で引き抜きしたことがばれた場合、企業間でうわさはすぐに広まりますので、ビジネスがし辛い状況になります。
従って、引き抜きする会社側の迷惑にならないよう立ち回る必要があります。
個人におけるリスク
引き抜きされる側からいうと、法律に反しているわけでもなく特に問題はありません。日本国民には、職業選択の自由が法律で保障されています。
日本国憲法(昭和21年憲法)第22条第1項においては、「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」と規定されており、これは、職業選択の自由を保障しているものである。
この「職業選択の自由」は、自己の従事する職業を決定する自由を意味しており、これには、自己の選択した職業を遂行する自由、すなわち「営業の自由」も含まれるものと考えられている。
上記の通り憲法で職業の自由は定められていますので、引き抜きの打診があった場合に応じることには何の弊害もないです。
上記から、引き抜きされる場合に注意する点としては、仲介会社や所属会社にばれないことが重要になってきます。
引き抜きで転職する際の注意点
前項のとおり、引き抜きで転職する場合は、仲介会社と所属会社にばれないことが重要になります。従って以下の場合は引き抜き転職の難易度があがるでしょう。
- 常駐先に同じ会社・仲介会社の人がいる
- 常駐先と引き抜きに関しての打ち合わせが困難
常駐先に同じ会社・仲介会社の人がいる
チームで顧客先に常駐することはよくある話です。仲介会社の人がいるなんてこともザラです。当然、ばれる要因になりえますので引抜での転職難易度は上がります。
もしそれでも引き抜き転職をする場合、常駐先との綿密な計画のもと話を進める必要があるでしょう。
常駐先と引き抜きに関しての打ち合わせが困難
上述したとおり、所属会社や仲介会社にばれるリスクを減らす必要があります。常駐先と引き抜きに関してシナリオを作り計画立てて話を進めないとボロが出るパターンが多いです。
例えば事前に引き抜きで転職することを決まっているとします。
その場合は、事前に転職時期を常駐先と決めておけば、所属会社に転職するとだけ伝えておけば問題ないでしょう。
仲介会社がからむ場合は複雑になりがちなので、しっかりとしたストーリーを準備して計画的に進める必要があります。
上記のことから、常駐先と引き抜きに関しての打ち合わせが困難な場合は転職のリスクが増えることになります。
最後に
色々書きましたが、IT業界において引き抜きはかなりのグレーゾーンです。
僕は実際に引き抜きでの転職経験があるのでお伝えしました。その際、収入もあがりうまく話が進んだことから正直デメリットはありませんでした。
しかし、うまくいかないパターンも恐らくあるかと思います。この記事はメリットを保障するものではありません。ある程度のリスクを負う必要があるかと思います。
引き抜きの打診があった場合、そのリスクについてしっかり考え、理解した上で判断しましょう。引き抜きに関しては自己責任でお願いします。
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